【要約】意志と表象としての世界【第十一節】

本の第十一節を要約しました。

第十一節

知と対立するのは情(感情)で、情はネガティブな内容を持っています。概念や理性の認識ではなく、抽象的な理性認識に入らないものが情です。異なるものが一緒になる理由は、抽象的概念ではないという点で一致しているからです。

情という概念は、宗教的感情や肉欲の感情、美的な感情など、さまざまな感情が含まれています。共通点は抽象的な理性認識ではないことだけです。空間的関係や純粋悟性の認識も含まれており、人が直観的に意識したものも感じると言われる場合があります。

幾何学の初心者は、図形を描いてから証明に進むことで、真理を感じられると言われています。また、論理的数学的な感情や二つの公式の同一性と差異性の感情が問題にされています。人々は詭弁の正しくないことを感じるが、誤りを発見できないこともあると言われています。

情という概念は、誤解と論争を引き起こすことがあります。それは、範囲が広く、内容がネガティブで乏しいためです。感覚という似た意味の言葉もありますが、それは肉体的感情を表す専用語として使われる方が良いでしょう。情の概念の問題は、均衡を欠いていることが原因です。

概念は理性に基づくもので、一面的な立場をとります。この一面性により、自分たちと異なるものを一つのカテゴリーにまとめます。この考え方は、理性が抽象的概念以外のものを情という概念にまとめるため、誤解や混乱を引き起こすことがあります。理性は自己認識を通じて、この問題を明らかにする必要があります。